おはようございます。
いつもありがとうございます。
昨日はIRSのアラインについてお話しました。
仮想水平面や自転方向を算出したりする過程で、航空機が静止していることが求められるということはお分かりいただけたかと思います。
つまり、このアライン作業、極力飛行機が「揺れていない状況」で行うことが求められる、ということです。
そうしないと正確に加速度計やジャイロが「基準点」を算出できません。
私達パイロットが飛行機に到着して、コックピットの準備をする早めの段階でアラインを行うのですがよくあるのが「風によるアライン不可への懸念」です。
強風が吹き荒れる(例えば台風や嵐)のとき、飛行機に乗り込むとまずはとっても「気持ち悪い」んです。。。

というのも、尾翼に吹き付ける風で機体全体が揺れ、地上にいても「船に乗っているようなピッチング運動」が起こっているからです。
特にお客様が搭乗される前は機体の重量も軽いのでこの「揺れ」が大きく、たまに酔ってしまうこともあるぐらいです・・・
この「強風による機体の動揺」によって、稀に「アライン作業」が成功しない場合があります。こうなると大変です。IRSのアラインは必須なので、場所を変えたり時間を遅らせたりして何とかアラインさせることが必要です。
一つの手段としては、上記のように機体が軽いと風による動揺が大きいので、お客様や貨物を搭載した状態だと揺れがマイルドになってアライン可能となる、ということもあります。
もっとも、そんな強風だと離着陸にも支障が出てくるので「IRSアライン不可のため欠航」というのは私自身経験がありませんのでご安心下さい。
飛行機が地上にいる間にも経験する「揺れ」、パイロットにとってもIRSにとってもあまり嬉しくないモノなんです💦
Hide
コメントを残す