おはようございます。
いつもありがとうございます。
今日は飛行機のナビゲーションシステムについてお話します。
ちょっとだけ月刊エアラインでの連載でも触れた話題になります。
皆さんのスマホ、たまに自分の位置をロストしたりしますよね?
またポータブルカーナビも同じで、自社位置がずれたりすることは(昔に比べると遥かに高性能ですが)タマにあると思います。
飛行機は一瞬たりともそんなことが許されません。
ということで飛行機は、単独でGPSだけに頼ったナビゲーションはしません。
むしろ、GPSは「補助」と捉えてもらったほうが良いです。
ボーイング747の時代から、INS(慣性航法装置)というものが開発されました。現在はIRS(慣性基準装置)と言われています。
この仕組みを説明するのは難しいのですが、昔の話から飛行機の「自機位置」の算出までを追っていきたいと思います。
747の前の世代、例えばDC-8だとか727だとかは、当然ながらINSはありませんでした。

ではどうやって自機位置を出していたんでしょうか?
機体には、「VG」と「DG」というジャイロを使用した計器がありました。
姿勢指示器と方向指示器に採用されているんですが、これは「高速回転するコマは空間に対して一定の姿勢を保つ」という法則を利用したものです。
航空機は3次元に動きますよね。
動く飛行機の中で、自機の姿勢を正確に表示する必要があります。人の感覚はアテになりません。
そのため、「ジャイロ」が活躍したんです。
「地球ゴマ」というものをご存知でしょうか?
私も実際に触ったことがないのですが、これ面白いですね!地球ゴマ – Wikipediaja.wikipedia.org
不思議な現象ですが、これを応用して姿勢指示、方向指示を行っていたんです。
つまり、飛行機の姿勢や方位は分かるが、「現在どこにいるか」という表示は何もないわけです。
だから、この時代は自機の位置を知るためには「航法無線機器」(先日紹介しましたね、NDBとかです)によって地上から支援を受けないと分からなかったんです。
現在ではありえないぐらいの誤差の大きさでしょうし、航空機が少なかった時代だからこそできた航法ですね。
次回は現在のIRSの仕組みについてお話します。
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