おはようございます。
いつもありがとうございます。
さて、このブログを読んでくださっている皆さんの記憶にもまだ鮮明に残っているかもしれない事故についてお話します。
1994年4月に発生してしまった、中華航空140便の名古屋空港での事故についてです。
事故の詳細はこちらを御覧ください。中華航空140便墜落事故 – Wikipediaja.wikipedia.org
この事故の原因の一つは、「水平尾翼のけんか」なんです。
まず先日のブログを復習してみてください。『2つに分かれている水平尾翼』 Morgenrot – 現役パイロットによる航空のお話 – DMMオンラインサロン現役の国内航空会社旅客機で機長を務める代表と、副操縦士によるオンラインサロ…ameblo.jp
このように、水平尾翼は前方の「水平安定版=スタビライザー」と後方の「昇降舵=エレベーター」に分かれています。
中華航空の事故は、この2つの翼が「逆向き」になってしまったために起こった事故でした。

Guido Allieri – https://www.flickr.com/photos/guidojet/50639018057/, CC 表示-継承 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=107408423による
説明の資料を作ってみました。
少し極端に書いています。

今回の問題は、Bのようにオートパイロットが機首を上げようと水平安定版を操作しているのにも関わらず、パイロットがそれをオーバーライドする形で昇降舵を機首下げに操縦しているのです。
最終的にパイロットが着陸を断念してゴーアラウンドしようと機首を上げる操作を行った結果、元々機首上げの状態の水平安定版と昇降舵が急激な上昇姿勢を作り出してしまったのです。
現在ではこのような状況は起こりえません。
なぜなら、パイロットが操縦桿(サイドスティク)に力を加えると、オートパイロットが自動的に外れるようになっているからです。
事故機もそのように改修される予定であったものの、改修前にこの事故が起こってしまいました。
元はと言えばパイロットの操作ミスに端を発したこの事故ですが、改めて機体の特性を理解した操縦が必要であると考えさせられました。
大変悲しい事故でしたが、水平尾翼はこんな状況になっていたとお分かりいただけたかと思います。
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