実は難しい!地上走行(TAXI)

Morgenrot – 現役パイロットによる航空のお話 – DMMオンラインサロン現役の国内航空会社旅客機で機長を務める代表と、副操縦士によるオンラインサロンです。 飛行機の不思議や豆知識、パイロットのマネージメント、危機管理、運航の現場の裏側など航空ファンにはたまらない内容をお届けします。lounge.dmm.com

おはようございます。

いつもありがとうございます!

昨日は「中心線灯」についてお話しました。

私も昨日はフライトで、改めて「誘導路、滑走路」の中心線灯を踏まないことの難しさを感じながら運航していました。

乗客の皆さんにとっては「衝撃が来ない」ことが一番でしょうが、パイロットにとってはそれよりも重要なことがあります。

言わずもがな、「安全性」です。

そもそもこの中心線灯を「避ける」行為、様々な問題があります。

1:自機の「中心」を常に把握しておく必要がある

あの衝撃音の原因は、昨日も言いましたが「ノーズギア」が灯火を踏む時に発生します。地上移動中はノーズギアをコックピットのステアリングで操作するので、常にノーズギアの場所を把握していないと避けることができません。

ノーズギアはコックピットのはるか後方に位置しています。

地上旋回中は特にノーズギアの位置を把握しないと、トラックなんかより余程長い飛行機(70Mにもなります)の「内輪差」も相当なものです。

2:誘導路の幅と自機のメインギア、エンジンの位置

誘導路の幅は狭く、翼端は大体誘導路の外側まで出ています。

中心線を外すといっても、大きく外すとメインギアが誘導路外に逸脱してしまったり、エンジンが低い位置にある飛行機は誘導路灯と接触のおそれがあります。

どの程度中心線を外しても上記のような事故が起こらないのか、根拠を持っていないと中心線を外すことはできません。

3:離陸や着陸滑走中は安全性が一番

離着陸時の滑走路中心線灯、これを外すのはとても難しいです。

時速250KM以上で滑走する飛行機を、強い横風の場合でも滑走路の中心線に沿って走らせることすら大変難しいことです。

着陸時に中心線灯を外そうと思うパイロットはまずいないでしょう。

着陸後のTAXI SPEED付近になれば別ですが・・・

離陸滑走中もパイロットの足の踵で操作する「ラダー」で方向修正をしながら操縦桿は風上に傾けます(ボーイングの場合)。速度が増すに連れて方向修正はシビアになってきて、とても誘導路のときのように「快適性」を考慮するようなフェーズではありません。

このように、中心線を外すことはある意味「危険」を伴います。

パイロットがリスクを負って快適性を取るか、それとも安全性のために中心線灯を踏むことを躊躇わないか。

それはその便を運航する「パイロット次第」です。

灯火はそもそも踏まれても支障がないような強度を持っていますし、飛行機のノーズギアも中心線灯を踏む程度で傷んだりはしません。

様々な条件を考えて、それぞれの機長がもつ「運航方針」に則って地上走行も行われていると思っていただければと思います。

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