おはようございます。
いつもありがとうございます。
昨日はバランスの話から、重心位置についての重要性をお話しました。
旅客機の重心位置は、簡単に言うと翼の前方からの距離で表しています。(本当はMAC=空力平均翼弦、と言いますがその説明は難しいので省略します)
旅客機の重心は、下図のように
翼の前方と後方を結んだ線の1/4〜1/3の長さの場所です。
この図にある通り、前方、後方の重心限界は大体こんな場所にあって、その距離は機種によって異なりますがボーイング777でも2メートル程度と言われています。

たった2メートルしか許容範囲がないんです、おどろきですよね!
あれだけお客さんが乗っていて、どうやってこの2メートルの間に重心位置を持ってくるのか??疑問に思いますね。
それは貨物の搭載位置と、シートブロックで対応しています。
よく「バランスの関係でお座席の移動は禁止しています」というアナウンスがあったり、事前座席指定でも前方あるいは後方の座席が全く選べなかったりすることもありますよね。
全てこの「2メートル」の範囲に重心を収めるためだとご理解ください。
また、機内での座席移動に関しても制限があります。旅客機の客席列を「ゾーン」にわけ、それをまたぐ座席移動に関しては許可を得なければならない場合があります。
人ひとりが動くだけでも(最も悪い条件では)1CMほど重心が移動することがあるんです。
ですので特にガラガラの飛行機で前方や後方座席が完全にブロックされている場合、大勢の旅客(数十名単位)が勝手にゾーンを超えて禁止されているコンパートメントに移動してしまったら・・・重心位置が保てなくなった飛行機の行く末は・・・想像したくないですね。
ということで、旅客機は意外とシビアな重心条件で飛行していることを理解して頂けたかと思います。
人ひとりぐらい移動してもいいだろう・・とは思わず、座席移動でゾーンを超えそうなときはできれば客室乗務員にご相談いただければと思います。
皆様の安全へのご協力をお願いします。
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