実は平均重量から予測

Morgenrot – 現役パイロットによる航空のお話 – DMM オンラインサロン現役の国内航空会社旅客機で機長を務める代表と、副操縦士によるオンラインサロンです。 飛行機の不思議や豆知識、パイロットのマネージメント、危機管理、運航の現場の裏側など航空ファンにはたまらない内容をお届けします。lounge.dmm.com

おはようございます。

いつもありがとうございます。

さて、昨日は「飛行機の離陸重量はどうやって測っているのか」という質問を投げかけました。

今日はその答えをお教えします。

答えは「測っていません」です。

旅客の重さは、実は「平均値」を使って計算で出しています。

日本の会社の場合、夏場と冬場に分けて「旅客一人あたりの重量」を計算しています。もちろん夏場のほうが少し軽めに設定されています。

ちなみにこの「旅客一人あたりの重量」の中には「持ち込み手荷物」の重量も含むのですが、大体「旅客一人あたり=70kg前後」と計算している会社が多いですね。

そして、預け入れ手荷物の場合は「国内線=一律7〜8kg程度」「国際線=実測値」を用いている会社が多いです。

では、実際にある飛行機で上記の数字を使って離陸重量を計算してみましょう。

ボーイング767−300ERのデータから考えてみましょう。

まず飛行機の自重=90トン

最大離陸重量=186.9トン

なので、飛行機に積める旅客、貨物、燃料の合計=96.9トン

となりますね。

例えばこれを国内線に使うとしましょう。

客室は大体280席ぐらいが定番ですね、では満席での旅客の重さは

280×70=19.6トン

(パイロット、客室乗務員の重量は今回は省いています)

受託手荷物が200名ぐらいとしたら、貨物は

200×8=1.6トン

(郵便は今回はないものとします)

ということで、旅客に関わる重量は

19.6+1.6=21.2トン

つまり、今回は75.7トンの燃料を搭載できるということになります。

これは約17時間弱フライトできる燃料です。

結構すごいパフォーマンスですよね。

今回は極端かつ簡単な例ですが、実際は滑走路長や離陸経路の障害物などで最大離陸重量まで搭載できないことも多いです。また会社によっては国内線の最大離陸重量をわざと低く設定しています(着陸料のためです)。

国内線だと燃料満タンで飛ぶこともほとんど無いので実際はもっと余裕のある重量で離着陸しています。

今回言いたかったことは、特に日本の国内線は「実測値ではなく平均値で算出している」ということです。

なので、もし当日の旅客がとても軽い人で荷物も無い方ばかりならば実際の計算よりも随分と軽い重量計算で離陸している、ということも豆知識として知っておいてもらえたらなーと思います。

ちなみにたくさんの方々が疑問を投げかけてくださった「バランス」に関しては、この「重量」の定義をご説明した後、これも簡単にお話しようと思っています。

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