おはようございます。
いつもありがとうございます。
今日は「セニョリティー」についてお話します。
何だ、セニョリティーって?と思われると思います。
英語で書くとSeniority:年上、年長とか先輩であること、年功序列
という意味です。
まさに「年功序列」という意味で使うんですが、これはパイロットの世界では何を示すのか?
それは、機長に上がる「順番」です。
大手航空会社は(ANAとかJALとか)は、基本的にパイロットの中途採用(経験者採用)はしていないのをご存知でしょうか?つまり、国内、海外他社でパイロットとして働いていた人間(副操縦士、機長)を雇用することはほぼありません。
それは、この「セニョリティー」が一因です。

(乗員組合という大きい存在もあるのですが今回は話が複雑になるので割愛します。)
その会社で副操縦士に任用された日時を基準として、「機長昇格訓練に投入する順番」を決めていきます。これが「セニョリティー」です。
大手航空会社は乗務経験の無いパイロット候補生を採用し、自社で教育をして副操縦士まで育てます。そして「あなたを当社の副操縦士と認めます」と認定した日を起点として、機長昇格訓練の列に並びながら副操縦士として経験を積んでいく、という感じです。
このセニョリティーに則ると、もし他社で機長をしていて充分経験や知識、能力があったとしても、その会社に入って(機長であっても皆一度は副操縦士発令を受けます)副操縦士発令を受けた日時が、新人の副操縦士より一日でも遅ければ、彼らの機長昇格を待ってからしか機長になれません。
つまり、最低でも6年ほどは宝の持ち腐れとなってしまう、ということになります。
その状態を避けるためという理由もありますが、国内大手は「自社で新人から採用した操縦士」のみで機長昇格を行っています。
それに対し、大手以外の航空会社はそのあたりは柔軟です。経験のある副操縦士は、従来いる副操縦士を抜いて機長昇格に投入しますし、機長としてフライトしていた方は元々「機長」として採用します。
セニョリティーという概念なしに、機長資格者はどんどん機長で飛んでもらおうという考え方です。
ちなみに、外国の大手航空会社も基本的に「セニョリティー」という考え方を持っています。
大手航空会社になると機長昇格フェーズに投入する順番待ちも長く、また人数も多いために自社で新人から雇用したパイロットだけで訓練枠がいっぱいになってしまうという事情もあるのです。
普通の企業とは違うパイロットならではの転職の特殊性をちょっとわかっていただけたのではないでしょうか?
つまり、大手ではグッドラックの堤真一さんのような機長は存在しない、ということですね笑
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