おはようございます。
いつもありがとうございます。
先日発生してしまった知床観光船事故を受け、「安全管理規程」について航空の分野からも考えています。
さて、昨日は「安全管理規程」の最大の特徴である「ハザードの特定とそのリスクの分析、マネージメントを行うことによるによる”事前予防型“」について触れました。
「ハザード」とは、不安全要素を発生させる可能性のある潜在的な状況、状態、モノ、活動のことを言います。
具体的例としては
・悪天候
・機材品質
・コストの問題
・人間の疲労
などです。
一方、「リスク」は、不安全事象の発生確率とその被害の大きさの組み合わせと定義されます。
上記のハザードが「許容可能なレベルになるまで低減させること」をマネージメントすることが、リスクマネージメントとなります。
つまり、重大事故につながる因子を洗い出し、それをどのようにしたら防げるのかを考えていきましょう、ということです。
今回の海難事故に関しては、ハザードが驚くほどたくさんありました。
そして、リスクマネージメントが全く行われていませんでした。
この「完全管理規程」の柱ともなるべき「事前予防」の考え方が活かされていなかったのです。
ハインリッヒの法則をご存知でしょうか?

(国土交通省資料より拝借)
1件の重大事故の裏には29件の軽微な事故と300件の怪我に至らない事故がある、というものです。
つまり、人命が失われる事故の前にたくさんの予兆や大事故に至る寸前のインシデントがあったのです。
それらを把握して対策することが、安全管理規程の柱であるハザードの特定とリスクマネージメントなのです。
私も、今回の事故を受けて考えることがたくさんありました。
皆さんが安全に、そして快適に飛行機の旅を楽しんでいただけるように、機長として努力を続けていこうと思っています。
それと同時に、読んでくださる皆さんにも航空安全についての理解を深めていただける、そのお手伝いができれば嬉しいとの思いです。
皆さんの職場やご家庭でも、SMSの考え方を取り入れていただいて、是非「事前対策」に役立てていただければと思います。
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