おはようございます。
いつもありがとうございます。
先日、知床で大変悲惨な海難事故が起こってしまいました。
様々な問題点が指摘されていますが、私達が所属する航空業界にとっても他人事とは思えません。
「船長の責任」・・・・過日社長の会見でも言及されていましたが、航空機でも同じことが言えます。
飛行機も当日の運航の判断は「機長」と「運航管理者」が行います。
そこに「社長の判断」はもちろん入ることはありませんし、入ってはいけません。
「機長」は飛行機の安全に対して最終的な責任を持っています。
安全は何よりも優先されるべきです。それを守るために機長が存在しています。
私達も健全な会社運営の中で安全を追求するために自己研鑽を続け、自分たちが担当するフライトに責任を持って全力で臨んでいます。
安全性とコストとは、時に相反するものです。
特に小さい会社ではそれぞれの立場で戦って「譲れない安全性のライン」を明確にするのが、船長と社長(会社)の役割ではないか、と思います。
さて、長くなりましたが日々状況が明らかになってきています。
いずれにしてもこのような事故が二度と起こらないようにしなくてはなりません。
報道の中で「安全管理規程」というものが取り上げられていますが、そもそもそれは何なのか?
航空業界の取り組みについて詳しくお話していこうと思います。
まず、皆さんにお聞きしたいのは、「安全とは何か?」ということです。
この問いに正確に答えられる方はとても少ないのではないでしょうか?
ICAO(国際民間航空条約)の定義では、以下のようになっています。
[The state in which risks associated with aviation activities, related to, or in direct support of the operation of aircraft, are reduced and controlled to an acceptable level.]
つまり、
航空機運航に関わるあらゆるリスクが、許容可能なレベルに低減され、コントロールされていること。
ちなみにリスクとは、「危害の発生確率とその程度の組み合わせ」ということができます。
運輸業界では、従来「不具合事象や事故が発生してから再発防止策を策定する」という安全対策が取られてきました。
しかし、2005年のJR西日本福知山線の脱線事故を契機に、従来の「事後対応型」から「事前予防型」への安全対策を行うことになりました。
それがSMS(Safety Management System)というものです。
皆さんが利用される航空会社も、このSMSに則り「安全管理規程」というものが設定されていて、規程の中では「最上位」に置かれるものとなっています。
この規程の最大の特徴は、「事故やトラブルの予兆となるハザードを把握し、そのリスクを評価し、対策を講じること」にあります。
つまり、事故が起こる「前」にあらゆる対策を行いましょう、という趣旨で規程化されたものです。
明日はもう少し詳しく見ていきながら、この「安全管理規程の存在意義」について考えていきたいと思います。
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