おはようございます。
いつも読んでいただきありがとうございます。
昨日は、長崎空港を例として離着陸の気象条件をお話しました。
復習すると・・・
着陸、離陸するのに最低限必要な視程は・・・
着陸:550m
離陸:400m
となっていました。
つまり「離陸はできても着陸ができない場合がある」ということになります。
では、今日は我がモルゲンロートの頭脳、Moriの実演によるPCのシミュレーターを使ってその天候を模擬した画像をお見せします。
着陸の場合、「この高度で地上の目視物標が見えないとゴーアラウンドしなくてはならない」という場所があります。
今回の場合、地上200feet=60Mの場所です。
ここまでは何も見えなくても問題ないのですが、まさにこの地上60Mの地点において「滑走路もしくはそれを構成するものの一部」が見える必要があります。
その地上60Mで、最低の視程=550Mならばコックピットから見るとどんな景色か?
それがこちらです。

ほとんど何も見えてませんが、うっすら滑走路につながる進入灯が見えていると思います。
これが、着陸するための最低気象条件である視程550Mの見え方なんです。この状況ならば着陸可能、これ以下ならば着陸できないのでゴーアラウンド(着陸やり直し)になります。
逆に言うと、この「地上〜60Mでギリギリ滑走路の一部が見えるためには視程550Mが必要だから、最低条件が550Mである」と言えます。
みなさんがパイロットだったとして考えてみてください。
時速250KM以上、この一瞬「見えた」「見えない」を判断して「着陸するか、進入中止するか」を決めなければなりません。
なかなか大変ですよね?
私達パイロットは、「大体今日の天気ならこのあたりでこれが見える計算だな」と常に考えながら着陸を行っています。
事前の計算も欠かせません。昔懐かしい「三角関数」なんていうのも使います。
覚えていますか?サイン、コサイン、タンジェント・・・
「これいつ使うんだろう?」と思ったこの数学の知識もフル活用しています。
少し話がズレましたが、視程550Mでの着陸。少しは実感していただけたでしょうか?
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