おはようございます。
依然として詳細のわからない中国東方航空のBoeing737-800事故ですが、アメリカのニュースを見ていると、7200feetで一回上昇に転じたという報道がありました。
定かではありませんが、もしそれが事実ならばその引き起こし操作によって尾翼の制限荷重倍数を超えて尾翼が吹き飛んだ可能性も考えられると思います。
徹底的な原因究明が望まれます。
さて、ニュースでも取り上げれている「ブラックボックス」とはどのようなものなのか。
ブラックボックスには、FDRとCVRが入っています。

(Wikipediaより)
FDRとはFlight Data Recorderで、その名の通りフライト中のあらゆるデータが記録されています。
例えば、高度、速度、加速度、エンジン出力、操縦舵面位置などです。
離陸滑走〜着陸滑走終了までは作動させなければならないと定められています。
最新の25時間分を記録しています。
CVRとは、Cockpit Voice Recorderの略です。コックピット内の会話を録音しています。最新の2時間分以上を記録する必要があり(今後は25時間以上)、エンジンスタートからエンジンストップまで常時作動が義務付けられています。
従来は磁気テープでの記録で、JAL123便の事故の際は30分間の録音となっていましたがテープが伸びていた影響で「衝撃音」が録音されていたということがありました。
現在はデジタルデータでの保存です。
そして、ACMSという飛行機のコンディションをモニターするシステムも搭載されていて、これは例えば飛行機が制限を超えたような場合は地上にダウンリンク(自動配信)されるようなシステムがあります。
中国東方航空の機体に採用されていたかはわかりませんが、もしそれがあればFDR解析の前に多少のデータはわかるはずです。
さて、これらFDRとCVRが入ったブラックボックスは、耐衝撃容器となっています。
耐えうるGは1000Gとも3000Gとも言われていて、正確な数字がわかりませんが、今回の事故の衝撃でもデータを破壊されずに回収されることを願っています。
最新情報では、CVRは発見されたがFDRはまだ、という記事を読みました。
FDRは機体後方に搭載と記載があるので、この機種はCVRと搭載位置が違うかもしれません。
ニュースでは不正確なコメントも散見されますが、事実に基づいて判断できることは昨日お伝えしたことのみです。
電子制御が効かないというコメントを見ますが、ボーイング737は以前お伝えした通りケーブル制御です。いざとなれば人力で動かせます。
オートパイロットが異常な動きをしても完全手動にできるところが、最新鋭のフライ・バイ・ワイヤの飛行機とは違います。
一日も早い原因究明を待ちながら、我々パイロットとしては安全運航に努める他ないと思っています。
お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りしております。
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