おはようございます。
いつも読んでいただきありがとうございます。
昨日までは、副操縦士はどんな仕事をしているのかをお話しました。
機長になるにはどうしたら良いのか?
副操縦士として飛行時間を積むと、新しいライセンスに挑戦する権利を得ると言いました。
副操縦士が持っていたのは「事業用操縦士免許」でした。
以下に航空法より抜粋した表を記載します。

例によってわかりにくいのですが、
自家用操縦士→事業用操縦士→定期運送用操縦士 の順に高度なライセンスとなっていきます。
事業用操縦士の4項を見てもらうと、「機長以外のものとして・・・」という一文があります。
それが、一番上の定期運送用操縦士の2項を見ていただくと、「機長として・・・」とっています。
この一番上のライセンスを取得することが、副操縦士にとっては非常に大きな難関となっています。
(※航空機使用事業:飛行機でお客さんを乗せず、測量などを行う会社です。航空運送事業:旅客、貨物などを搭載して運航する会社のことです)
さて、この「定期運送用操縦士」には受験資格があります。
21歳以上で1500時間以上の飛行時間を持っていて・・・などと航空法に詳細に決められています。
筆記試験と実技試験で、実技試験はシミュレーターで行います。その際には国土交通省の試験官による「口述試験」も行なわれます。
非常にハードルの高い、難しい試験です。
副操縦士が機長になるには、このライセンスを取得した後、更なる難関が待っています。
この「定期運送用操縦士」のライセンスを持った状態で、会社が定める「機長の資格要件」を満足していることが必要です。
会社ごとに異なりますが、飛行時間が3000時間以上だとか、年齢は24歳以上だとかがあります。あとは人格や識見が機長としてふさわしいか、という判断基準もあるんです。
その資格をすべて満たすと、会社として「機長昇格フェーズに投入」となります。
各種訓練を行った後、「機長認定審査」としてシミュレーターと実際のフライトで2回「技能審査、路線審査」を受ける必要があります。
訓練〜審査、全てを終えるのに約一年ほどかかると思います。
この「審査」は基本的に国土交通省の審査官が担当し(大手では社内でできるようになっています)、とても厳しい審査となっています。
同時に社内の審査も行なわれますが、これらの審査に合格して初めて、「機長」としてフライトができるわけです。
まとめると、副操縦士が機長となるためには・・・
・新しいライセンスを取得する(定期運送用操縦士)
・社内で設けている機長要件を満足する段階で機長認定審査に合格する
という感じです。
その飛行機の安全の最終責任者となる機長なので、これほど厳しい試験や審査は必須だと思います。
私も機長になるときはとても大変な思いをしましたし、今でも日々勉強です。
ということで、機長はただ経験を積むだけでは成れない、ということを分かっていただけたら嬉しいと思います。
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