おはようございます。
先日、成田空港でNCAから超大型の落下物が滑走路上に存在した、というニュースがありました。
https://www.asahi.com/articles/ASQ2D011CQ2CUDCB00H.html
フラップのフェアリングだそうですが、今回は空港でしたがもしこれが真上から落ちてくると考えると・・・。
少し前には関空でもこんなことがありました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38314590Z21C18A1CR0000/
なんかいつもボーイングですが・・・
この時には落下物が地上を走っている車に直撃しました。
幸い人に被害はなかったものの、タイミング次第で・・・と思うと、このような事態は航空会社としてゼロにしなくてはなりません。
この件が原因ではありませんが、成田空港では飛行機から落下する「氷塊」による民家や人への被害を最小限にするため、「GEAR DOWN OPERATION」というものを実施しています。
成田の34アプローチでは、海岸線の手前でGEAR DOWNをします。
また逆の16アプローチではGEAR DOWNを避ける場所が明記されているので、手順としては利根川の手前でGEAR DOWNをしています。
これによってGEAR付近に付着している氷塊による地上への被害は低減されているということです。
しかしこの他にも、最初にお話した航空機からの部品落下によって空港周辺の方々には大変ご迷惑をおかけしています。
この氷塊を含めた落下物に関して、2018年に国土交通省が「落下物防止対策基準」を制定し、翌年から日本国内の航空会社と、日本に就航する外国の航空会社にも上記基準を満たすことが義務化されました。
具体的には、事業計画に「落下物防止対策基準」に適合する対策を記載することなども含まれており、他国に例を見ない日本独自の厳しい基準となっています。
私達パイロットを含めた運航に関わる人間も、「落下物教育」として外部点検時に確認するところや過去脱落したパーツの学習などを行っています。
しかしながら残念ながら落下物をゼロにできていない現状には、航空に携わる者として大変申し訳なく思っています。
航空会社としては、製造メーカと共により一層の点検や対策を行わなくてはなりません。
また私達パイロットは、お客様だけではなく、自分たちが運航で関わるすべての人達の命を守ることが仕事です。そのような視点から運航を再考すべきであると改めて思うところです。
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