
おはようございます、今日は昨日大きな影響をもたらした火山について書きたいと思います。
私達パイロットにとって最も恐ろしいものの一つに「火山灰」があります。
なぜ「火山灰」が恐ろしいのか?
マグマが冷え固まった大小の石の結晶とともに、「火山ガラス」とも言われ、鉱物が急速に冷却されて不規則な形状のガラスが舞っている、と考えてください。
(内閣府防災情報より)

火山灰は直径2mm以下のものを言うそうですが、こんなものの中に高速で飛行機が突っ込んでいくと・・・まさに「ヤスリで削られる」状況が想像できると思います。
また高温のエンジンに吸入されると、ガラスが再溶解してタービンブレードに固着します。
とても恐ろしい状況です。
(内閣府防災情報より)

火山灰が与える影響としては・・・
・エンジン停止
・先日お話した「Pitot管の閉塞」
・電気系統の異常
・与圧システム不具合
・コックピットウィンドウへのダメージ
などです。
飛行機にとって最も重要なことは、「火山灰には近づかない」ことです。
現在、日本でも桜島や阿蘇山が定期的に噴煙を上げており、鹿児島空港や熊本空港にアプローチする際には噴煙の状況や風向きを調べて就航しています。
火山灰の流れる方向によっては、別の進入コースを取ったりもします。
それだけ厄介な存在なのです。
航空路の火山灰情報は、東京VAACというところが主管しています。
このサイトで、火山灰の流れる方向や高度などを確認しています。
この火山灰が原因でエンジン停止をした航空機もあります。
以下に挙げる例は、タイプは異なるもののボーイング747の事故です。
いずれもエンジンの再始動に成功し、生還しています。
KLMオランダ航空867便エンジン停止事故https://ja.wikipedia.org/wiki/KLM%E3%82%AA%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%80%E8%88%AA%E7%A9%BA867%E4%BE%BF%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3%E5%81%9C%E6%AD%A2%E4%BA%8B%E6%95%85
現在では、火山灰が航空路に存在して避けられない場合は航空機の運航が停止されます。
地球規模の噴火となった今回のジャワ島海中火山、航空機の運航にも必ず影響を与えると思います。
まだまだ人間は自然には勝てないですね。
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