
おはようございます。いつもご覧いただきありがとうございます。
さて、昨日からお話している「パイロットの勤務と疲労管理」ですが、従来の勤務体系はなかなか厳しいものでしたね。
ちょっと復習しましょう。
・連続 24 時間内の最大乗務時間 2 名乗務 :国内線 8 時間、国際線 12 時間
※ 3 名以上の乗務 :12 時間超
・累積での最大乗務時間 1 暦月:100 時間、3 暦月:270 時間、1 暦年:1,000 時間
・休養時間:連続 7 日間で 1 日(外国においては連続する 24 時間)
これでしたね。
例えば、このまま適用するなら、長距離国際線の羽田〜シアトルなんかも余裕で二人で乗務できることになっていますね。
(FLY TEAMから)

これ、実際日本時間の夜中にフライトするわけなんですが、これで眠くなるなという方が厳しいですよね。合計3名で乗務し、コクピットは常に2名確保しながら一人ずつ交代してレストに入る、という方法でないと辛いと思います。
しかし、従来の法律ではこの路線も2人乗務ができたんです。
(あくまで法律上なので、内規で3名乗務にすることももちろん可能です)
ちなみに話はズレますが、羽田が再国際化して以降、羽田空港を深夜に出発する国際線が増えましたよね。
お客様にとっては仕事終わりに空港へ行って週末は海外、月曜の早朝に羽田に到着してそのまま仕事、という素敵なダイヤです。
しかしその影響はパイロットにもCAさんにも悪い方に働きました。
例え近距離国際線で時差が少なくても日本の深夜に飛び立って目的地の朝に到着する、そんな勤務が続くことで体調不良になる乗務員が多く出ました。
どれだけ生活のリズム、睡眠のリズムが人間にとっては大切かが身にしみて分かります。
さて、ここからは新しい法律です。
新しい勤務のあり方で国が示したのは、「疲労管理」=「睡眠管理」ということです。
また、その他離着陸回数や交代要員、休憩施設なども考慮して新たに出した法律が以下のようになります。
まずは乗務時間(飛行時間のようなもの)

これだと、最初に例に挙げた羽田〜シアトルも2人乗務は厳しいですね。
ちなみに
3 人編成:15 時間(13 時間以上の運航を行う場合はクラス 1 の仮眠設備 が必要。また操縦士一人当たりの連続乗務時間が 8 時間を超 えない休息パターンの設定が必要。)
4 人編成:17 時間(航空機内に適切な仮眠設備が必要)
と、編成が増えるごとに上限時間は延長されていきます。
なかなかリーズナブルになりましたね。
依然として厳しいことは厳しいですが・・・
会社が乗務員を酷使する体制なのか、大事に思って管理するのか、あとは会社の方針やセンスの問題ですね。。。
続いて累積乗務時間 については
・連続 28 日間:100 時間
・連続 365 日間:1000 時間
とほぼ変わらずです。
最後に、勤務時間について見ていきますが、長くなりましたので明日に!
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