
パイロットを始め航空従事者の飲酒問題について、ここ数年大変問題となってきました。
特にコロナ前の2018年〜2019年にはこの問題が顕在化し、パイロットが懲戒解雇される事態となりました。
私自身はというと、全くお酒を飲みません。というか、アルコールにとても弱くてお酒を飲む楽しさが分からないので、半分人生を損しているとも言われますがお酒を飲むことがありません。
みんなと楽しく食事することは大好きなのですが。。
よく、会社にとってはとても良いパイロットではないかと思ったりします笑
さて、本題です。
パイロットのアルコール検査については、ANAやJALを始めとする一連の飲酒問題に伴い、より一層飲酒検査が強化されました。
過去私が副操縦士の頃は、乗務便出発の8時間前までを期限として飲酒が許されていました。乗務前にスティックタイプのアルコールチェッカーで検査を行い、乗務していました。
それが今では、飛行勤務開始前(つまりフライトのための出勤時間を基準として)24時間前から飲酒量が制限されます。
アルコール量で「ドリンク」という単位を用い、1ドリンク=アルコール10gを含む飲料を意味します。
例えば500mlビール缶には20gのアルコールが含まれるので、これは2ドリンクとなります。
飛行勤務開始時刻の24時間前から12時間前までは4ドリンク、つまり500mlのビールだとを2缶までと制限されます。
また、飛行勤務開始前12時間以降は一切の飲酒を禁止しています。
乗務に当たっては、まず自宅で会社から支給されるアルコールチェッカーでセルフチェックを行います。会社に出社しても、本検査の前に予備検査を行います。
本検査も第三者立ち会いのもと、画像付きでデータを残すアルコールチェッカーを使います。
そしてフライト終了後も同様のアルコールチェックが行われます。
また、便間が2時間を超えた場合には改めて検査をする手順も設定されています。
フライト前に酒気帯び状態でないための対策、フライト中にも飲酒をしないための対策のためこの複雑な手順となっています。
どの業界でもそうですが、一度誰かがルールを破ると、その人に合わせて厳しいルールや煩雑な手順を設定せざるを得なくなり、結果その他大勢のルールを守ってきた人たちが被害を受ける、ということはよくありますよね。
パイロットはフライトでのストレスも大きいし、時間が不規則になりがちで睡眠不足にもなりがちです。
飲まない私には分かりませんが、アルコールは睡眠管理やストレス発散にはとても良いものなのでしょう。
しかし、お客様の生命を預かるパイロットとしては、定められたルールをしっかり守って万全の状態でフライトをすることもまた求めれれているところです。
上記のような体制で、現在の日本のパイロットはアルコールに関してとても厳しく規制されていますのでその点は安心して身を任せていただきたいと思います。
今回はアルコールについてご説明しましたが、パイロットにはその他にも様々な制限があります。また今後ご説明したいと思います。
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