おはようございます、今日はMELについてお話します。
昨日言いましたように、MELとは「Minumum Equipment List」の略です。
「装備品等が正常でない場合に、運航が許容されるかどうかの基準を定めたもの」
でして、運航会社ごとに定めています。
大元はMaster MELというものがあって、設計者(ボーイングとか)が定めたものです。その中から運航航空会社が自社の運航基準と照らし合わせて定めたものがMELとなります。
このリストには、例えば複数ある装備ならばどれだけの数が不作動でも良いかが記載されています。運航に必須の装備の場合もあり、それが不作動になると欠航となります。
もし不作動状態でも運航が許容される場合、いつまでに修復すべきか、不作動の場合の整備措置や運航手順なども記載されています。
昨日言いました客室内の蛍光灯が一つ切れて、交換部品の在庫がない場合はこのMELの適用となります。

蛍光灯切れの場合の整備措置は大きなものではありませんが、整備士による書類作成に時間を要します。
簡単に言えば、「この飛行機には装備に一部不具合があるが、MELに従って整備措置を実施しているため運航に支障はありません」と証明するための記入事項があるのです。
遅延の可能性もありますが、確実な作業と書類作成は航空安全のために必須です。
極力私達パイロットも整備士も遅延はさせないように努力していますが、法律で定められた作業のため省略することはできません。
「たかが蛍光灯一本でそこまでする?」と思われるでしょうが、こうやって航空機の安全は保たれているんだと理解して頂ければ幸いです。
Hide
コメントを残す