おはようございます、いつもありがとうございます。
さて、この数日間MELからのAPUについてお話をしてきました。
皆さん、少しはご理解いただけたでしょうか?
例えば、APUやキャビンのライトなど、装備品の不具合ではあるものの運航が可能だとする基準をMELといいました。
では、フラップのフェアリング(翼の後ろの出ているカバーみたいなもの)とか、だいぶ前にお話したStatic Discharge Wiresの一部が欠損しているときも、MELを適用するのでしょうか??
(フラップ下の細長いものがフラップのフェアリングです)

答えはNOです。
この場合、MELではなく「CDL」というマニュアルを適用します。
Configuration Deviation Listといいます。
「設計者が定めた、飛行開始にあたり装備しないことが認められる航空機の外部部品の基準」です。
例えば、フラップのフェアリングが一部欠損しているとします。
まずCDLを参照し、これが欠損したまま運航可能なのかを判断します。
もし可能だったとしても、その際に心配されることは、空気抵抗の増加ですね?
その影響による燃費や性能の悪化についても記載されていて、離着陸、巡航の性能計算を補正します。
よって、もし外を見て普段と違う外見でも、規程に則り計算された上で運航されているので、ご心配ありません。
ちなみに、私が昔デルタ航空でホノルルから成田に向かう便に乗ろうとした際、B747-400だったのですがウイングレットが装着されていないことに気づきました。
「あれ?-300なんてデルタは持ってないよな?-400Dなわけないしなー」と思って他方の翼を見ると、ウイングレットが装着されていました。
つまり、片翼のみウイングレットがない状態だったのです。
私は他機種ではリストに見たことがありませんが、B747-400にはあるであろうCDLを適用していたんだと思います。
でも、乗客で多少航空知識のある者にとっては
「こんな長時間、左右のバランスとか抵抗とか大丈夫なの?」
と不安になっていしまいますよね。実際とても不安で、いらぬ心配をずっとしていました笑
実際、そのデルタ機は以前に他機との接触か何かでウイングレットを破損していて、そのコンパートメントを外しているような状態だったようです。
お写真お持ちのかたもいらっしゃるんではないかな?と思います。
CDLはご説明したように、外部部品の基準なので比較的お客様から見やすいパーツが対象であったりします。
もちろん飛行前に装備されていない時は、所定の処理を実施していますので問題ありません。
しかし、もし飛行中になくなっていることに気づかれた知識のある方々は必ず客室乗務員までおしらせください!(ちょっと怖いと思いますが、皆さんの目はとても信頼しています!)
よろしくお願いいたします!
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