「パイロットのアナウンスは、機長と副操縦士どちらがやってるんですか?」
「アナウンスの内容は決められているのですか?」
よくこんなことを聞かれるので、今日はその質問にお答えしたいと思います。
まず、
1:機長と副操縦士、どちら??
これは大体、操縦を担当している方がアナウンスをすることが多いです。
ここで更に、「副操縦士も飛行機を操縦することがあるんですか?」と聞かれることが多いですが、機長が、副操縦士に操縦を任せることができる社内資格を保有していれば可能です。
コックピットで操縦を担当する業務のパイロットをPF=Pilot Flying、
管制管との交信など、操縦以外の業務をするパイロットをPM=Pilot Monitoring
といいます。
いつも機長=PF,副操縦士=PMというわけではないのです。
もちろん、副操縦士もPFをする能力は充分備わっていますし、機長の指揮監督のもとでPFを行っているので、安全ですのでご心配なく。
色々と話が深いところに行ってしまいますが、つまりPFをしている操縦士がアナウンスをします。
続いての質問
2:アナウンスの内容は決められているの?
これについては、会社によって参考までのアナウンスブックをもつところもありますが、基本的にアドリブと思ってくださって結構です。
みんな言う内容が似通ってくるのは、良さそうだな−と思うパイロットのアナウンスを参考に自分で作り上げるからです。
客室乗務員(CA)は訓練を受け、マニュアル通りにアナウンスすることが多いですが、パイロットにはマニュアルがないのでアナウンス訓練もありません。
ちょっと聞き取りづらいこと、滑舌が悪い事、訛りがあること笑、等々、良い風に言えば個性的、悪く言えば下手くそなこともありますが、精一杯お客様に伝えたいという気持ちでアナウンスしてますので、大目に見てください笑
また私達は揺れやお詫びなどのアナウンスが励行されていることはありますが、強制ではありません。フライト時間が短かくて操縦が忙しい時や、深夜でお客様がお休みになっていることが多い時などはあえてアナウンスをしないこともあります。
また、機長によってはアナウンスを好まない方もいます。
そういう時は、副操縦士に「ちょっとアナウンスしといてくれる?」ということもありますし、アナウンス自体がないこともあります。
ということで、この質問の答えは、「ほぼ自分で考えたことをアナウンスをしています」ということになります。
たまに、「まるで白鳥の背中に乗っているような」とか、「心の翼」みたいな凝ったアナウンスをする機長もいますが、あれも完全オリジナルです。
僕は機長として、フライトする時は必ずアナウンスをすることにしています。
内容は平凡ですが、お客様に感謝と安心を与えられたら嬉しいという思いからです。
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