おはようございます!
毎日ブログを書くとなかなかネタ探しに苦労します・・・
「パイロットに聞いてみたいこと」を皆さんからお聞きし、それに関連することを書こうかとも思いますので、遠慮なく私にメッセージを頂ければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
さて今日は、本格的な冬に備えて「冬季運航」についてお話します。
なかなか奥が深いので、何度かに分けてお話します。
皆さん、単純に滑走路が雪で覆われている場合、飛行機は運航できると思われますか?
もちろん答えは運航可能なのですが。
先日からお話しているように、私は車が好きなもので(それもかなり偏った趣味ですが・・)どうしても車と比べてしまうのですが・・・・
車の場合、雪氷路を走行する際はスタッドレスタイヤに履き替えますよね。
そうしないと滑りますから。
あるいはタイヤチェーンを装着します。
でも、飛行機はスタッドレスではありません。
夏も冬も、タイヤは同じです。
想像してください、ノーマルタイヤで雪の積もった滑走路を時速250kmで走る様子を・・・
ちょっと考えられないと思います。
飛行機のタイヤは、車と違うところは横に溝が切ってないぐらいです。

ではなぜ、車ではできないことを飛行機はやってのけるのか?
以下に代表的な理由を挙げますと
①タイヤ一本あたりにかかる重量の違い
車はせいぜい1.5トン〜2トンですが、飛行機は350トン(B7W)にもなります。
タイヤの本数で割ると明らかですよね。
②リバーサーやスポイラーの減速力
先日説明したとおり、逆噴射(リバース)は高速域でかなりの効果を発揮します。
オートブレーキで減速率が定められていますが、ホイールブレーキは雪氷路ではアンチスキッドが通常より早めに作動します。所望の減速率を得るために、時にはMAXリバースを使います。またスポイラーによって揚力を減らし、より大きな重量をタイヤにかけられるようにしています。
③駆動輪ではない
車にはFF,FR,MR,RR,などエンジンの搭載位置と駆動輪の関係でこんな呼び方があります。AWDと最近では言いますが、4駆は雪に強いですよね。大きな回転トルクがかかる駆動輪は、車体を引っ張るか押し出すかで空転しやすさも異なります。
余談ですが私の最近まで大切に保有していた車はMRでしたので、雪は大いに苦手でした。
飛行機は駆動輪はありません。エンジンが翼についています。
ただ付随して動くだけなので、車のように動き出しに苦労する、ということはありません。
などが思いつきます。
実際の誘導路や滑走路面状態に左右されますし、誘導路では充分減速してターンしたりしますが、私が操縦してきた経験から言えばノーマルタイヤでも充分グリップしている感覚です。
今日は「冬季運航」の入り口として、タイヤのお話をしました。
今後お話する予定なのは、
・滑走路状態とブレーキングアクション
・降雪強度や雪の種類が運航に与える影響
・防除雪氷作業
・Anti-iceについて
・過去の事例から学ぶ
等を考えています。お楽しみに!
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