おはようございます、今日は飛行機のブレーキについて説明します。
先日、ブレーキはラダーペダルをつま先で踏むことで作動すると言いました。
つまり、車と違って左右別々にブレーキを踏むことができるのです。
最初は左右均等に踏むことができず、苦労したものです。

またブレーキのシステムは基本的に油圧で作動します。
車と同じです。
違う点は、「メインホイール」にしかブレーキが装着されていないことです。
車は4輪についてますよね。
B737やA320だと、あの大きな飛行機をメインホイール4つに装備されたブレーキで止めることになります。相当なブレーキ能力が必要ですね。
ブレーキはディスクブレーキですが、最近は「カーボンブレーキ」が主流です。
車は大体「スチール(鉄)」ですよね。
多板式のブレーキを複数のピストンで押さえつけています。
わたしが最初に乗務したB737はスチールブレーキでした。
カーボンに換装されたあとは、効き方が異なることを感じました。
カーボンは熱が入らないと効きづらく、逆に熱が入ると強力な制動力を発揮します。
ブロックインの時などは、カーボンブレーキになって最初の頃は注意したものです。
また、スチールブレーキと違うのはカーボンブレーキは「踏む回数」で摩耗していく、という点で、「踏む強さ」で摩耗していくスチールブレーキとは異なったコスト管理が必要です。
外部点検でも、違いがわかりました。
「カーボンダスト」が多く付着していてホイール付近が黒く汚れている飛行機は、カーボンブレーキ装備の飛行機だと判別できました。
カーボンブレーキのメリットは、軽量化です。もちろん制動力も上がっているのですが、ペイロードを増やしたい旅客機にとって装備品を軽く作るのは至上命題のようなものです。
このように見えない部分でも軽量化を図っているところは、レーシングカーと似た部分がありますね。
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